第9回 Catastrophic Disruption ワークショップ

2018年05月13日

開催地:日本、神戸、生田神社会館

前回の2013年会合以降に、初めて彗星への着陸探査が行われ(2014年)、準惑星ケレスや冥王星とその衛星が探査される(2015年)など、太陽系の天体の進化に関する新たな情報が得られました。また、2018年6月と8月にJAXAのはやぶさ2探査機の小惑星リュウグウ到着とNASAのOSIRIS-REx探査機の小惑星ベヌー到着を目前に控えています。

これら小さな小惑星は、衝突破壊の痕跡を残す代表的な天体です。惑星間衝突の世界の第一人者を集めた本研究会では、リュウグウやベヌーでどのような衝突の証拠が見つかるのか、またどのような物質進化の証拠が見つかるか、様々な観点から熱い議論が展開されました。この会議では多くの新情報が紹介されましたが、この5年の間に全く新しい小惑星族が発見され、リュウグウやベヌーを含む近地球小惑星の多くがそれらから産まれている可能性が指摘されたことは特筆すべきことでありました。これらの情報は、はやぶさ2およびOSIRIS-RExからの参加者に共有され、その場観測とリターンサンプル分析の計画に反映されることとなりました。

一方、太陽系天体や系外惑星系での天体衝突や破壊の数値シミュレーション、力学進化モデリングの研究の進展もめざましいです。特に、衝突破壊のシミュレーションを行う若い研究者が増えてきていることが改めて確認されたことも大きな収穫でした。室内実験では、隕石をはじめとする、より現実の天体の構造や物質に則した試料についての力学物性測定や衝突破壊・クレーター形成過程の研究が行われるようになり、そのデータが蓄積されていることも確認されました。

さらに、WISE, NEOWISE, NEOCAMなど宇宙望遠鏡や系外惑星観測衛星の結果と惑星探査機、室内実験や離村シミュレーションが具体的な観測対象に関して共同の研究ができる素地が整っていることが、初めて確認されました。これは、今後の本分野における世界的な研究の潮流を作る源となることが期待されます。